【感想】沙村広明『無限の住人』

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【作品情報】

沙村広明『無限の住人』

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父を殺し、母を攫(さら)った剣客集団『逸刀流(いっとうりゅう)』に復讐を誓う少女・浅野 凜(あさのりん)は、「百人斬り」の異名を持ち、己の身体に血仙蟲(けっせんちゅう)という虫を寄生させることで不死の肉体を持った剣士・万次(まんじ)を用心棒として雇い、逸刀流の統主である宿敵・天津影久(あのつかげひさ)を追う旅を始める――。



【感想】

漫画の中でオールタイムベスト5に入るくらいには好きなのです。高校生の頃に終盤を読んで、「私の理想の絵を描く人がここにいた」と魅入られるように読みました。圧倒的な画力、外連味のある構図、アニメ的に動きを反映したコマの流れ、打ちのめされながら何度も読み返しました。もう最終決戦の地那珂湊に着いてからでいいので読んでいただきたいです。

YouTubeに沙村さんが第30巻第二百三幕「いと荒ましき風の競ひに」の扉絵を描いている映像が落ちているので是非視ていただきたいんですけど、とんでもないです笑。

密着! 熱筆! 沙村広明『無限の住人』作画風景

そう、私の作品で閉鎖病棟から出てきてからの日々を書いた「明滅」というエッセイがあるんですけど、その18回目のタイトルは「いと荒ましき風の競ひに」で。もとは『源氏物語』の「橋姫」に出てくる言葉なんです。「いと荒ましき風の競ひに、ほろほろと落ち乱るる木の葉の露の散りかかるも」。でも、私『源氏物語』は「橋姫」まで読んでいないので、『無限の住人』のエピソードタイトル経由で知ったのをあそこで使いました。

ついでに言えば私のウェブ小説第1作目に「サドリの物語 ―百年の檻―」という小説があって、そこに林堂一沙、千沙という兄妹が登場するんですけど、彼等の名前は沙村さんから一文字いただきました。元々一沙は絵を描く設定だったので。そのくらいには好きなんです。

『無限の住人』には乙橘槇絵という最強の天才女剣士がいるんですけど、刃付き三節棍はずるいですよ。もう絵になる絵になる。武器の動きとしても面白いですし。それ以前にキャラクターとして私は彼女が好きなんですが。ネットで他の方も仰ってたんですけど変わったバランスのキャラクターですよね。あの立ち位置のキャラが最強というのは確かにあまり見ないかなと思います。最終決戦で彼女が吐組の三人を相手取って戦いますけど絵も何もかも圧巻です。『無限の住人』の中で一番好きです。

最終決戦はずっと雪が降っているんですけど、雪の中戦うのはかっこいいですね(辰井、「好き」と「かっこいい」しか言わないじゃないか)。ちょっと脱線するんですけどBONESのオリジナルアニメ映画『ストレンヂア 無皇刃譚』を思い出しました。

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戦乱の時代。明国の武装集団に追われる仔太郎という少年がいた。逃げこんだ荒寺で仔太郎は、名を捨て刀を封印した不思議な浪人「名無し」と出会う。赤池の領主と連携をとりながら仔太郎を追ってきた武装集団は、そこで名無しと対峙する。仔太郎に隠された秘密はあまたの野心を触発し、名無しはのちの宿敵となる男、羅浪と巡り会う。それぞれの思...

この映画もアクションシーンの作画が凄まじくて大好きなんですけど、ラストバトルが雪の中で行われるんです。もう足元が滑る滑る。その滑っているのも込みでバトルシーンを作画しているんだから参ってしまいます。ストーリーは今見るとちょっと甘いかなと思わないではないんですけど、過去に罪の意識を抱えて刀を封印した最強浪人が、ひょんなことから明の武人集団に追われている少年と旅をすることになって、最終的には彼のために刀を抜くというお好きな人にはたまらないストーリーで。興行的にはこけてしまったらしいんですが、残酷シーンが大丈夫な方にはおすすめです。

『無限の住人』に話を戻すんですが、よくあの話をきれいに着地させたなというのは色んな人が言っていることです。復讐ものってただでさえ正義が絡んでくるので難しいんですけど、「そっちに行くの」かつ「でも、そうだよね」な納得の最後で。特殊な武器を持った強者たちが三つ巴になって戦うエンタメ群像劇なんですけど無常感とプラスαで締め括っていて、それがあの物語の最後として相応しいと思いました。カワウソあたりの中弛みが指摘されるのは無理もないかなとは思いますけど、そこで離脱するのはあまりに勿体ない作品です。時代劇・チャンバラがお好きな方は是非に。

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