【講評】ちありや「トラック運転手ですが世界平和の為に殺し屋に転生してみましたよ」

web小説講評

【作品情報】

ちありや「トラック運転手ですが世界平和の為に殺し屋に転生してみましたよ
「運転していたトラック『を』撥ねられて俺は死んだ……。」

異世界転生ものにおいて最も風評被害に遭っている職業がトラック運転手だ。
常に安全運転を心がけているのに、いつも謎の当たり屋に狙われて過失致死で逮捕される。
これはそんな不幸なトラック運転手たちの中でも更に不幸な使命を背負ってしまった男の物語である。

零下様主催の「ダラっと零下賞」https://kakuyomu.jp/user_events/1177354054922651625で男性キャラクター賞と一話完結作品賞を受賞いたしました!


【講評】

悔しいかな、面白かったです。出オチかなと思っていたのですが、話はそこからで。タイトルにもあるのですが、転生からの展開は「そう来るか」と思いました。どんどんエスカレートしていく展開、全体的に漂う人命の軽さ、そして荒唐無稽かつ魅力的な因縁の“宿敵” 大豪院覇皇帝、などいい要素の揃ったエンタメでした。

この作品は異世界転生の型を破りつつも、一方でその強固な型をうまく利用して「みなさんご存知」の状況を作りつつ、ストーリーを明快にしている点が強みです。異世界転生はその強固な型とあまりの覇権ぶりからしばしば脱構築が図られるジャンルですが、この作品は見たことが無い異世界(ではないけど)転生をやりつつも、異世界転生のお決まりの要素をうまく使うことで分かりやすいストーリーにし、大豪院覇皇帝という難敵との対決に集中できるつくりになっています。異世界転生というジャンルに対するカウンターでありながら実のところこのジャンルに対して愛のある作品だと感じました。

大豪院覇皇帝はほとんどやり過ぎのギリギリのバランスを持ったキャラクターであり、この物語の裏ではまさしくチートキャラである彼が躍進していきます。最初こそ彼の特異な設定に戸惑ったものの、次第に次は何をしてくれるのかと楽しみになりました。感情移入を一切許さないキャラクターですが、魅せられてしまいます。

個人的にはこの作品における人命の軽さが好きでした。それこそ“世紀末”感が漂い爽快感すらあります。思い切りがよいと思います。 キャプションから想像していた話より10倍面白かったです。

ちありや「トラック運転手ですが世界平和の為に殺し屋に転生してみましたよ

コメント

タイトルとURLをコピーしました